マイナンバーカードを取得すると、カードのマイナンバー部分を隠すビニール製のカバーが付属してくることをご存じでしょうか?

ビデオレンタルの会員カードを更新する場合など、身分証明書の代わりにマイナンバーカードを提示する時は、そのカバーを外さずに提示しましょう。

企業に入社するとマイナンバーの提出を求められますが、これにマイナンバーカードを用いる場合は、カバーを外してマイナンバーが確認できる様にして提示しましょう。

マイナンバーは法的に利用範囲が定められています。

このため、レンタルビデオ店の様にマイナンバーが不要で身分証明のみを行いたい場合は、マイナンバーを隠して提示するのが良いとされています。

マイナンバーは社会的インフラと言われています。

つまり、高速道路や電気・水道と同じで、「ルールを知らないと怖いものですが、ルールを知ったうえで使いこなせば大変便利なもの」です。

高速道路に制限速度があるように、マイナンバーにも守らなければならないルールがあります。

従業員には正しい知識を習得させ、安全に有意義にマイナンバーを活用したいものですね。

本記事では、「特定個人情報の適切な取扱いに関するガイドライン」をご紹介します。

この内容を概説しながら、従業員に対しマイナンバー教育を行うことが企業の義務である理由と、教育や社内研修テキスト作成のコツを紹介します。

「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」について

マイナンバーを含む個人情報のことを「特定個人情報」と呼びます。

この「特定個人情報」を適正に取り扱うためのルールを定めているのは、「個人情報保護委員会」(https://www.ppc.go.jp/)という組織です。

「個人情報保護委員会」は、特定個人情報の監視・監督に関する業務を担うと共に、個人情報の保護及び適正かつ効果的な活用について、広報・啓発活動も行っています。

この「個人情報保護委員会」が、マイナンバー及び特定個人情報の適正な取扱いを啓蒙するために公表している資料が、「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」(今後は「ガイドライン」と記載します)という資料です。

このガイドラインには、「事業者編」、「金融機関編」、「行政機関等・地方公共団体等編」が用意されています。

このうち、「事業者編」が一般企業で遵守すべき内容を網羅している、最も基礎的な内容となっています。

つまり、このガイドラインに沿って特定個人情報を安全に適正に運用することは、各企業の義務と言えます。

特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)
https://www.ppc.go.jp/files/pdf/my_number_guideline_jigyosha.pdf

このガイドラインですが、いわゆる「行政文書」的な書類となっており、文章ばかりで読みにくく、社員教育のテキストには向きません。

それを補完するため、「はじめてのマイナンバーガイドライン(事業者編)~マイナンバーガイドラインを読む前に~」という資料も用意されています。

http://www.ppc.go.jp/files/pdf/270414firstguideline.pdf

さらには、「中小規模事業者向け はじめてのマイナンバーガイドライン(事業者編)~マイナンバーガイドラインを読む前に~」という資料も用意されています。

http://www.ppc.go.jp/files/pdf/270414chusho.pdf

これら資料は、特定個人情報の取扱いに関する基礎的な内容をきちんと網羅した、とても良い教材となっています。

企業内研修等においては、これらテキストをそのまま活用することができます。

なお、全てのガイドラインは以下のページからダウンロードができます。

https://www.ppc.go.jp/legal/policy/

マイナンバー・特定個人情報取り扱いのルール

本ガイドラインには、「個人番号(マイナンバー)・特定個人情報のルール(マイナンバー4箇条)」として、「取得・利用・提供のルール」「保管・廃棄のルール」「委託のルール」「完全管理措置のルール」の4つが示されています。

これらについて、1つずつ見ていきましょう。

これらは、そのまま社員教育のポイントになります。

「はじめてのマイナンバーガイドライン(事業者編)~マイナンバーガイドラインを読む前に~」より抜粋。http://www.ppc.go.jp/files/pdf/270414firstguideline.pdf

取得・利用・提供のルール

マイナンバー及び特定個人情報の取得・利用・提供は、番号法によって限定的に定められています。

一般の企業では、社会保障及び税に関する手続書類の作成事務を処理するために必要がある場合に限って、従業員等に個人番号の提供を求めることができます。

企業においてこの目的を超えてマイナンバーを入手することはできませんし、ましてや従業員以外の一般顧客から給与や報酬の支払いを行う以外の目的でマイナンバーを入手するなどは有りえません。

突然やってきた見知らぬセールスマンが「マイナンバーを提出してください」と求めてきたら、間違いなく法令違反ですので、提示しないようにしましょう。

また、マイナンバーの利用・提供に関しても「番号法で限定的に定められている場合以外の場合は、個人番号・特定個人情報を利用・提供することはできません」と定められています。

自分のマイナンバーをネット上で公開するなども、この提供制限に違反する行為となりますので、注意しましょう。

保管・廃棄のルール

特定個人情報は、必要がある場合だけ保管が可能、必要がなくなったら廃棄が必要です。

従業員が勤務している間は給与を支払い、税に関する手続書類の作成事務を処理する必要がありますので、企業が従業員のマイナンバーを保管しています。

もし、その従業員が退職した際には、税に関する手続書類の作成事務を処理する必要が無くなった時点で、退職者のマイナンバーを廃棄する必要があります。

特定個人情報とは、データだけにとどまりません。マイナンバーを記載した紙書類も特定個人情報として扱わなければなりませんので、このルールが適用されますので注意して下さい。

委託のルール

企業はマイナンバーを取り扱う委託先の必要かつ適切な監督が必要です。

特に面倒だと言われているのが、再委託する場合は、最初の委託者の許諾が必要と明示されたことです。

例えば、あなたの会社(B社)がある企業A社の給与計算を受託していたとします。

あなたの会社(B社)がさらにその給与計算を子会社(C社)に委託し、税務処理に必要な特定個人情報を扱わせる場合、あなたの会社であるB社は、A社に対し、C社に再委託することの許諾を得なければなりません。

この許諾を適切に受けるため、B社はC社に対して委託者自らが果たすべき安全管理措置と同等の措置が講じられるよう必要かつ適切な監督を行わなければなりません。

安全管理措置のルール

個人番号・特定個人情報を保有する企業は、その特定個人情報に対して、必要かつ適切な安全管理措置が必要と定められています。具体的にやらなければならない対策は、以下の6つとなります。

①基本方針の策定

特定個人情報等の適正な取扱いの確保について組織として取り組むために、基本方針を策定する必要があります。

企業内では既に定められていることが多いでしょうから、その内容を改めて社員に認識させれば良いはずです。

②取扱規定の策定

事務の流れを整理し、特定個人情報等の具体的な取扱いを定める取扱規程等を策定しなければなりません。

マイナンバーがどの事務で、どの様に取り扱っているのかを明確にし、その取扱い規定を定める必要があります。

③組織的安全管理措置

特定個人情報の運用に関する安全管路措置を講じるため、組織体制を整備する必要があります。

マイナンバーを取り扱う事務における責任者や事務担当者を明確にし、それぞれの責任範囲を明確化する必要があります。

また、取扱規定に基づく運用を行うとともに、その状況を確認するための記録(ログ)を取得する必要があります。

④人的安全管理措置

企業は、マイナンバーを取り扱う事務取扱担当者に、特定個人情報等の適正な取扱いを周知徹底するとともに適切な教育を行う必要があります。

⑤物理的安全管理措置

特定個人情報を漏洩の危険から守るため、特定個人情報等を取り扱う区域を定め、分離する必要があります。

例えばマイナンバーを取り扱う場所に間仕切りなどを設置して、一般社員の目に特定個人情報がさらされない様、座席配置を工夫するなどの対策が必要となります。

更には、特定個人情報を廃棄するにはシュレッダーを利用するなど復元不可能な手法を用いる必要があります。

⑥技術的安全管理措置

マイナンバーを取り扱うシステムにはアクセス制限を設け、事務取扱い担当者を限定できるようにします。

更には、マイナンバーを格納するデータに外部から侵入されない様、インターネットから分離するなど、ネットワークの整備も必要となります。

まとめ

このように、マイナンバーを取り扱う企業は、ガイドラインに即してマイナンバーを安全に取り扱う義務があります。

また、組織体制を整備し、事務取扱者を明確にして取扱い規定を定めて、適切な教育を行う必要があります。

マイナンバー制度は、マイナンバーをITシステムで用いることが前提になっている制度のため、現代の運用に即したガイドラインが定められています。

このガイドラインに従うことで、企業が適切な特定個人情報の取扱いができるようになっています。

冒頭に示したように、マイナンバー制度は社会的インフラですから、ルールを理解し適切に運用すれば、便利なものです。

マイナンバーに関する知識は、習得しておきたい重要なスキルの1つと言えます。



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