未経験から医療事務に転職!志望動機や履歴書の自己PRの例や面接に受かるポイント

長年、資格取得講座で大人気の『医療事務』。

受講される方は学生から主婦・会社員、退職された方まで幅広く、性別比も余りありません。

なぜ、数ある講座の中で、『医療事務』が注目を集めるのでしょうか。

ズバリ、「短期間で資格取得でき、また、就職・転職先が多い」からです。

でも、求人広告では「経験者求む」や「未経験者は除く」というものばかり。

どうしたら、資格取得直後、もしくは、資格取得のみで医療機関の勤務経験がない場合でも、面接に受かるのでしょうか。

医師が第一に求めるもの

資格取得ランキングで、常に上位ランキングし続ける『医療事務』は、医科での業務となります。

医科とは内科・外科・眼科・耳鼻咽喉科・皮膚泌尿器科・整形外科・脳神経外科・産婦人科・リハビリテーション科・精神科・心療内科など、いわゆるみなさんが『医師』と呼ぶ先生が開院している医院(クリニック)や病院などとのこと指します。

総合病院ですと、内科や外科は総合内科、消化器内科・消化器外科、循環器内科・循環器外科などに分かれますし、リウマチ内科や漢方内科など専門に特化した診療科標榜もあります。

『医科医療事務』は、これら全ての診療に対する受付、事務・管理、医療請求を担う業務ということになります。

市中で開業されている医療機関では内科を複合した消化器科や循環器科のほか、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚泌尿器科、整形外科、産婦人科など、単科での標榜が目立ちます。

総合病院や公共病院などは、その診療科の数に差はありものの、複数の診療科があります。

医療機関の規模は異なりますが、どの患者も、まず受付での対応を受けることは共通しています。

医療機関を受診する場合、大半の患者が体調不良なので、病気やけがに対して、不安な気持ちを抱えている場合が殆どです。

また子どもや高齢者などは、座っているのもままならない状態もあるでしょう。

その際、迅速に受付業務を行えること、インフルエンザなど感染症を疑う場合は他の患者と隔離すること、待ち時間や通院などのことを質問されて可能な限り真摯に答えることが求められます。

もしも、あなたが医療機関で無愛想な対応をされたり、質問したことに「先生に聞いてみてください。」とつっけんどんに返されたら、

「不調だった体調が、更に悪くなったような気がする…。」

「不安な気持ちが、更に膨らんだように感じた…。」

こんなふうに感じると思います。

医師のように専門的な受け答えができなくとも、診療やお薬が出せなくとも、受け答えと笑顔で患者の不安を少しでも取り除くことはできるのです。

受付で訴えていたことを、カルテ付箋で医師に伝えて、患者の二度手間を省くこともできます。

何でもない一言で患者を知らず知らずに傷つけたり追いこんだりしてしまうことがありますから、言動ひとつにも注意が必要となります。

精神科では、家族と話をしている最中に、突然窓から飛び降りようとしたり、外へ飛び出して行ったりすることがありますから、受付業務を行いながらも、常に目を離さないことも必要です。

要するに医師や医事課が、受付業務に求めることは、医療機関の顔として、患者に寄り添う、気配りのある行動や温かい言動が取れるかということです。

ここにポイントを置けば未経験から医療事務に転職成功する方法がおのずと解かると思います。

更に医師が切望するもの

医療事務の仕事は受付業務だけではありません。

カルテの内容から、迅速に医療費を計算して、患者に一部負担金となる医療費の1~3割を請求します。

まずは、カルテには、名前・生年月日・住所・電話番号など基本的な患者情報のほかに、保険者番号を入力しなければなりません。

この保険者番号(保険証に記載されている番号)も就職・退職、結婚・離婚、生活保護などの助成の請求で変更があります。

子どもや75歳以上の高齢者では、年齢によって助成や保険証種の変更がありますので、受付では常に確認することが必要になります。

次に、患者の診療が終わると、診療内容による医療費の計算、薬のための処方箋発行、受診課によっては次回予約を入れる確認を先生にしなければなりません。

最近は電子カルテを取り扱う医療機関も多く、先生がPCに向かって診療や処方内容を打ち込んでくれる場合もありますが、それでも重複診療や投与禁忌の薬がないか、事務目線でのダブルチェックが要求されます。

医師は、診療に最優先とされる処置や検査など診療を行いますし、薬の投与も行います。

しかし、医療請求では、実施間隔が決められている検査、併用してはいけない処置、投与量の制限されている薬や併存病名によっては投与してはいけない薬などがあり、点数表や薬価リストという医療請求のルールに則って、正確に請求されなければなりません。

ルールを無視することで、医療費を支払う審査機関で間違った診療を査定されるばかりか、同じ査定を繰り返すことで審査を管理する都道府県や保険組合から指導を受けることに繋がります。

俗に言う、「目をつけられる」ようになると、審査はより集中的に行われるようになりますし、新たな施設基準の届け出も受理されにくくなります。

それに、間違って患者へ請求してしまい、返金ばかりか、不足分を再請求するなんて、なかなかできるものではありません。

医療機関への不信へも繋がってしまいます。

更に、レセプト(診療報酬明細書)と呼ばれる一月分まとめて医療請求とカルテの突合の際、検査や投薬に適応した病名漏れがないか、処置など不請求分の診療行為がないかなど、再度確認が必要になります。

悪性腫瘍や統合失調症など特殊疾患の場合、家族の要望によっては本人に告知せずに診療を行うことあります。

患者さんには一見して分からないように、カルテには病名や薬がドイツ語や英語表記、略語で記載されることもありますから、医療請求時には正確な医療用語を入力できるように、受付での知識も必要となります。

先程述べた保険証確認を怠ると、どんなにレセプトの内容が正しくとも、「適合被保険者不在」「(被保険者番号)間違い」などといった過誤申し出で、医療請求が却下となります。

レセプトで医療請求を行うと、大概2カ月後には保険者の給付分(患者の一部負担金を除いた分)が医療機関に振り込みされますが、保険者番号に間違いがあると、レセプトのやり取りが再度行われ、当初の振り込予定日より5~6月遅れるようになり、医療機関の収入を減少させたり、遅延させたりと、経営に影響が出てしまうのです。

医療事務は、医師が診療に専念できるように、医療請求のルールを、受付で審査を行うことが求められます。

つまり、医師や医事課が、受付業務に求めることは、人柄だけでなく、カルテの病名や診療内容から迅速かつ正確な医療請求ができるかということです。

医療事務の種類と多種多彩な就職先

一口に『医療事務』と表現されますが、その種類と就職先は様々です。

資格取得講座の中には、『歯科医療事務』『調剤薬局医療事務』など、医科とは異なる、特化診療科の医療事務が紹介されています。

歯科医療事務は、いわゆる歯医者さんにおける医療事務です。

薬価リストは医科と共通ですが、点数表は歯科点数表という独自のものを使用します。

市中に開業されている歯科医院やクリニックばかりでなく、総合病院などに併設されている口腔外科などでも、医科とは異なり、歯科点数を用いますので、受付や医事課には医科医療事務と歯科医療事務の双方が必要となります。

調剤薬局医療事務は、いわゆる薬局における医療事務です。

医療機関内での投薬が減少し、処方箋といった薬のオーダー表を持参して、市中の薬局で処方を受けることが多くなりました。

こちらも薬価リストは医科医療事務と共通ですが、調剤点数表という独自のものを使用します。

その他に、介護保険医療事務、柔道整復師療養費請求事務など、分野毎に特化した事務が設定されています。

勤務先も、医科・歯科といった保険医療機関、調剤薬局、介護保険を取り扱う居宅介護施設、柔道整復の療養費請求を行う接骨院・整骨院だけではありません。

みなさんが資格取得の勉強をされた資格取得学校、通信講座などの講師という就職先もあります。

自身が間違ったり、迷ったりした箇所は、今現在勉強されている生徒さん達も同じように間違えたり、迷ったりしています。

勉強したみなさんだからこそ、教えられるポイントがあるはずなのです。

通信講座では、通勤・在宅の双方の勤務形態があり、時間的に自由も利きます。

資格取得学校では、学生を主体とした専門学校と会社員を主体とした資格取得学校があり、専門学校の授業は昼間、資格取得学校では18時以降の夜間か土・日の休日をフルに使用した授業形態となります。

立場は講師ですので、講師同士の勉強会、生徒との質疑応答・面談、また入学希望の方への説明会など、授業以外にも業務が伴います。

また、医療事務は、レセプトで医療請求をするばかりだけではありません。

請求されたレセプトを審査する職に就くこともできます。

国民健康保険の各自治体、後期高齢者保険の広域連合、社会保険の協会けんぽ・健康保険組合など保険者、国保連合会や支払基金といった保険審査機関では、各種医療事務(医科・歯科・調剤・介護・柔道整復)の点検員を抱え、日々レセプト審査を行っています。

医療保険や審査機関へ、医療事務業務や審査業務を行う点検員を派遣する会社への就職という手段もあります。

いわゆる「外注」といわれるもので、一定の医療機関で任期更新の業務に就くこともあれば、人出不足の医療機関へ貸し出しされるために、短期間であちらこちらと医療機関を渡り歩くこともあります。

保険者との契約で、レセプト点検を月半分程の日程で受けることもあります。

派遣会社に属するので、仕事の紹介先は多く、入札次第では大手の医療機関に勤めることも可能になりますが、希望の勤務地や勤務時間など自由が利かないこともあります。

面接に挑むために

せっかく取得した資格ですから、就職活動を行いましょう。

未経験者にとっては、「経験者でない」というだけで、面接では不利になることが多いのが現実です。

それを覆すには、いくつかの裏ワザを使用しましょう。

面接を申し込む際、面接の際の身だしなみと、話し方

派手な身なり…だらしない髪形や濃いメイク、長いネイル、ぷんぷんした香水などはNGとなります。

当たり前のようですが、おしゃれの一環でしている方は、案外気がつかないものです。

就活のような一律なスーツまでは必要ありませんが、女性なら長い髪の毛をまとめて、ナチュラルメイクを心がけ、男性ならひげをきちんとあたって、髪の毛を整えていきましょう。

眼科や耳鼻咽喉科では、受付業務のほかに、医師の助手を務める場合もあります。

長い爪、付け爪やジェルネイルは患者さんを傷つける恐れがありますから、爪は短めに切り揃えておきましょう。

普段から清潔を心がけている…と、身なりからアピールすることが必要になります。

また、面接を申し込む電話を、事前に必ず入れましょう。

その際は、時間を割いてもらっていますから、簡潔会話と、丁寧ではっきりとした口調で連絡を入れ、面接日時は復唱して確認を行います。

相手のことを考えての話し方は印象に残りますし、復唱するということは理解していること・確認していることを意味して、仕事への真摯な姿勢を裏付けてくれます。

面談時の口調も同様です。

緊張すると、どうしても早口や「あの…」と言葉が詰まり、顔を下に向けがちです。

ですが、患者さん相手に、同じように接するわけにはいきませんね。

面接の時、医師や医事課の人間といった面接官は、あなたが患者に接すると想定して、面接しています。

具合が悪い人、高齢者などは、言葉が聞き取りにくくなっていますから、ゆっくり過ぎず、速過ぎずといった速度で、はっきり、聞き取りやすい声の大きさを心がけましょう。

高齢者の難聴や発熱による五感のゆがみは、高音から聞き取りにくくなるといわれています。

また、大きな声やゆっくり過ぎる口調は、耳の中で音が反響して、かえって聞きとれなくなります。

ただ闇雲に大きな声でゆっくりと話すのではなく、身近な高齢者と話すことで、練習するという手段を取りましょう。

その話す速度、声の大きさ・トーンは、面接でも聞き取りやすさという点で好印象を残し、高齢者を意識した練習もアピールポイントにしましょう。

練習したことはあなたの自信につながり、面接官の顔を正面から見ることができるようになります。

実体験を織り交ぜた志望動機

面接時間は限られていますから、短い時間で簡潔に志望動機と自己アピールをすることが大切です。

医療事務を取得した志望動機は、人それぞれでしょう。

その中でも、「子どもが学校に入って、時間に余裕ができたから。」「午前のみの募集だったので。」といった第一声はNGです。

医療事務でなくとも、時間を区切った募集はたくさんあります。

その中でも、医療事務を望んだことをしっかりアピールしなければなりません。

子どもが受診した時、なかなか受診の順番が回ってこない中、発熱でぐったりとしていたのを気にして、何度も声をかけてくれた事務に方がいた。今度は、自分がそんな気配りをする立場になりたいです。

会計の際に、先生に聞き忘れていたお薬のことを受付で質問したら、「少しお時間をください、確認してきます。」と、迅速に対応してくれた。不安に思っていることを汲み取ってくれた受付の方に感謝しています。

以前から医療事務には関心があり、就職してから資格を取得した。サービス業で培った対人経験を、医療事務といった患者と医師をつなぐパイプとして活用したいです。

など、実体験から感じた医療事務への感謝の念と、仕事として意識したことを織り交ぜた志望動機を、面接官に伝えましょう。

その上で、現時点では子どもが学校に行っている午前中のみなど仕事をする時間制限がある、子どもの体調次第では緊急で休むことがあるかもしれないと、正直に現状を明かすことも必要です。

実際、仕事を始めてから、午後にシフトが入ってしまったり、子どもの発病でシフト変更ができなくなりと、仕事を続けることに無理が生じて、長く就業することが難しくなってしまいます。

はっきりとした自己アピール

資格取得の際、好成績で修了試験を合格したことをアピールしましょう。

ただし、資格取得ランクや修了試験合格のレベルは、その学校や団体によって異なります。

通学や通信教育で医療事務を取得した後に、厚生労働省認定試験となります「診療報酬請求事務能力検定」や技能認定振興協会(JSMA)の「医科 医療事務管理士Ⓡ技能認定試験」の受験をお勧めします。

「診療報酬請求事務能力検定」は年2回の試験開催で、医療保険制度・保険医療機関・診療報酬・薬価基準・医療用語・医療関係の法規・介護保険制度などの幅広い知識が要求される難易度の高い学科と、入院・外来のレセプト作成といった実技試験に分かれており、資格合格率は平均3割のけっして簡単ではない試験ですが、レベルが高く、厚生労働省認定といった資格の分、信頼性が高いといえます。

「医科 医療事務管理士Ⓡ技能認定試験」は年6回(奇数月の第4土曜日)の試験開催で、医療保険制度・公費負担医療制度・診療報酬点数の算定・診療報酬明細書の作成・医療用語等の知識といった学科と、レセプト点検とレセプト作成といった実技試験に分かれており、資格合格率は平均5割と、基本的な事柄の上で数多くレセプト作成を練習しておけば合格できる水準で、特許庁より商標登録が認められた「医療事務管理士」といった一般的な医療事務の一段階上の資格を取得することでできます。

もちろん、一般的な医療事務資格では足りないというわけではありませんが、よりレベルが高く、全国的に認知された資格を有することで、即戦力になることをアピールすることに繋がることでしょう。

現時点の医療事務資格のみであっても、雇い主である医師や医療機関の医事課が切望するもの…医療機関の顔として、患者に寄り添い、気配りのある行動や温かい言動が取れる、カルテの病名や診療内容から迅速かつ正確な医療請求ができることをアピールすることを忘れないでください。

未経験者は不利だと思われる方も多いのですが、未経験者の方が経験者よりも優遇される場合もあります。

即戦力という点では、確かに不利な立場かもしれません。

しかし、仕事に就いた直後は、先輩方に指示を仰ぎ、その医療機関のやり方を学ぶという点では、誰もが未経験者になり得るのです。

しかも、染みついていた他の医療機関でのやり方が邪魔して、なかなか新しい医療機関のやり方や手順が身に付かないといった弊害が出る場合もあります。

また、電子カルテや磁気レセプトが主流となりつつある現在では、点数表や薬価リストを手にカルテから医療費を手動計算する、レセプトを手書きするといった業務から離れがちで、経験者であっても細かい点数や、もしかしたら薬価計算の方法も忘れてしまっているかもしれません。

反対に、資格取得のために点数表を穴があくほど調べ、カルテから内容を読み取って手書きレセプトを数多く仕上げていた未経験者であれば、電子カルテや磁気レセプトに頼らずに受付現場の仕事をこなす力が十分に備わっています。

システム障害で電子カルテや上受付用PCが使用不可能になった場合、機械に頼らず、患者を待たせずに医療計算を行わなければなりません。

その時に、即戦力になるのは、経験者ではなく、資格を取得したばかりの未経験者だと、彼らを教えた資格取得学校の講師陣は胸を張っています。

あなた方には、きちんと即戦力が備わっています、そのことを胸張って、アピールしましょう。

年齢的なこと、転職組であることで、面接上不利だと考えている方は、それを逆手に取りましょう。

例えば、子どもが独立して、医療事務の資格を取得したお母さん…受付のPCは苦手だし、年齢的に採用してもらえないのではないかと不安に思っていませんか。

受付に落ち着いたお母さん的存在が座っていたら、迷わず、保険証を差出して受付をしたといった記憶はありませんか。

特に、産婦人科や小児科では、新米ママが悪戦苦闘で疲れきって、悩んで来院することがあります。

気持ちや体が弱っている時には、自然と母性を頼ってしまうものです。

そんな時に、ほっとする存在に逢えたら、どんなに安心感が得られることでしょう。

また、内科でも高齢者の話を急かさずに耳を傾けるといったイメージもあります。

若い世代にはない落ち着いた雰囲気や自己の子育て経験からどしんと構える風格も、アピールポイントのひとつになることでしょう。

併せ技

医科の医療事務だけではなく、他科の医療事務を取得することで、アピールにつながることにもなります。

医科ほどではありませんが、歯科医療事務講座を開設する団体もあり、医科と同時に、歯科でも厚生労働省認定の「診療報酬請求事務検定」が開催されています。

総合病院や療養病棟では、近年医科歯科併設の医療機関が増えてきています。

医科で化学療法を行うと、口腔管理を行う必要性から、歯科でも共同管理料を算定するようになっています。

医科の医療事務だけではなく、歯科の医療事務を併せ持つことで、未経験ではなかなか敷居の高い総合病院の面接で合格も夢ではありません。

また、高齢化に伴って受給者数が急増中の介護保険に関しては、改定の都度、その適応範囲は拡大しています。

リハビリテーションや処置など医療保険と重複するケースも多く、医療費削減のために介護保険優先という制度が取られ、医科介護の突合点検も行われるようになりました。

介護医療事務を併せ持つことで、介護施設を併設した医療機関や、各自治体といった保険者での点検業務という職も視野に入ります。

面接先が査定を行う保険者・国保連合会や支払基金といった保険審査機関では、経験者よりも未経験者を優遇することがあります。

医療機関では、実診療からどれだけ医療請求を行うのかが焦点となります。

過剰請求や架空請求はしませんが、例えば、一つの疑い病名から、複数の検査が算定可能になるように、広い視野で収入に繋がるようにしているのです。

しかし、査定機関では、反対に、疑い病名ならば、ピンポイントでこの検査のみでいいのではと、過剰請求を削っていく業務になります。

つまり、正反対の業務を担うことになるのです。

医療機関での業務が長い方ほど、査定機関での仕事をしながらも、「この疑い病名を付ければこの検査は算定可能になる」と医療機関よりのレセプト点検を行ってしまうのです。

身に染みついたその習慣をリセットするのはなかなか難しいことです。

それならば、レセプトをじっくり一から点検していこうとする未経験者の方が、より早く即戦力になるというわけです。

また受付業務同様に、点検教や薬価リストで必ず確認するという手順は、審査業務に欠かせません。

ルーティーンではなく、漏れや見落としがないように、丁寧にレセプトに取り組む姿勢は、審査業務に最適といえるでしょう。

派遣する会社への登録も同様に、一医療機関の習慣や癖に囚われず、様々な医療機関や査定機関に対応できる力が求められます。

七変化ではありませんが、未経験者のように何物にも染まらず、真摯に取り組む姿勢が行く先々で重宝がられることでしょう。

もちろん、審査機関においても派遣会社においても、きちんと経験を積み、レベルアップやスキルアップをすることは必須ですし、医科のみ限らない多種医療事務の資格取得は、その業務の幅を広げます。

それを踏まえた上で、その業務方法を固めたり、ルーティーン化しないことが大切だということです。

まとめ

以前講師をしている際に、「未経験者ではなかなか採用されない」といった相談を受けたことがあります。

経験者もかつてはみな未経験者でした。私もそうです。

相談を受けた際には、業務内容を絞ること、就職や面接先を選択することで、経験者になる一歩を踏み出せると必ず伝えていました。

資格取得したばかりで、総合病院で採用というのはなかなか例がありません。

派遣会社や資格取得学校からの斡旋で、メディカルクラークといった受付業務やカルテを各診療科へ輸送する院内コミュニケーション業務に就くことはあっても、せっかく勉強したレセプトに携わる業務にはノータッチとなることがあります。

受付業務ばかりではなく、レセプト業務など総括まで携わりたいのであれば、開業医の下で経験を積むことをお勧めします。

総合病院よりも採用率が高くなりますし、自宅近くでの就職も可能になります。

経験を積み、他の資格を取得してスキルアップすることで、他の複合診療所や総合病院への転職も視野に入れられます。

回り道のようでいて、一番近道かもしれません。

はじめから総合病院への就職・転職を望む方は、医科医療事務のみではなく、歯科や介護などの医療事務、福祉住環境コーディネーターや福祉用具アドバイザーなどの福祉ケア資格を併せ持って就活を行うなど、医療事務に付加価値を付けることも、一つの手段でしょう。

業務内容を絞ること、就職や面接先を選択することで、まずは一歩を踏み出しませんか。



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