マイナンバーを会社に提出するのは義務?解かってしまう個人情報と拒否する方法

マイナンバーが導入され数年が経過しています。

「確かに会社にマイナンバーを提出したが、それが一体どの様に使われているのか、全く分からない!」そんなことを思っている方も多いのではないでしょうか?

この記事では、マイナンバーを用いて、個人情報がどの様に管理されているのかを解説しながら、マイナンバーで解かってしまう個人情報について解説します。

また、マイナンバーを会社に提出するのは義務なのか、拒否することはできるのか、についても解説します。

そもそもマイナンバーの役割は何か?

マイナンバーが国民1人1人に割り当てられた番号であることは、なんとなく理解しているが、それがどの様に活用されて、何の役立っているのか、イマイチ理解できない方がほとんどではないでしょうか?

マイナンバーの1つの大きな役割は「名寄せ」です。

1つの例として、給与や公的年金等の支払をする事業者(いわゆる「会社」)は、従業員が住んでいる市区町村に「給与支払報告書」を提出する義務があります。この給与支払報告書にはマイナンバーを記載する様になりました。

これにより、今まで氏名、生年月日などで行っていた人の突合(いわゆる「名寄せ」)を、マイナンバーを用いてできることになります。

これは行政に取ってみれば大きなメリットです。というのも氏名は結婚や離婚で変わるデータですから、実は「人を特定するキー」としては使いにくいものでした。
マイナンバーを用いて人の特定ができることは、コンピュータ処理が前提の現代において、事務の効率化や正確性のために非常に有効な手段となります。

ここでお気づきでしょうか。

各企業から市区町村に対して、今までも「給与支払い報告書」は提出されていました。

今まで渡していた情報にマイナンバーが追加となるというのが、マイナンバー制度の基本的な考え方です。

つまり、マイナンバー制度が導入されたからと言って、会社が行政に提出する情報が増えるということはなく、行政が名寄せしやすいようにマイナンバーを付けたというのがマイナンバー制度の実態です。

会社や行政組織が、マイナンバー制度を理由に、皆さんの個人情報を今まで以上に収集することは、法律で厳しく制限されています。

マイナンバーを用いた行政組織における情報管理の仕組み

もう1つ、マイナンバー制度の導入に伴い構築された、「情報連携」の仕組みについて紹介します。

マイナンバー制度は、①付番、②情報連携、③本人確認の3つを基本としています。

「マイナンバー社会保障・税番号制度 概要資料」(内閣官房社会保障改革担当室発行)より抜粋
http://www.city.kato.lg.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/22/21193.pdf

この②情報連携を実現するために、国が主導で構築したシステムが「情報提供ネットワークシステム」です。

この情報提供ネットワークシステムでは、各行政機関が保有する個人情報を「集中管理」は行いません。今まで通りの「分散管理」が基本です。


「マイナンバー制度における情報連携について」(総務省個人番号企画室発行)より抜粋
http://www.soumu.go.jp/main_content/000429540.pdf

この様に市区町村を始めとする各行政機関が保有している個人情報に変更はありません。

個人情報が1箇所に集まることは無く、市区町村が持っていた情報は今まで通り市区町村でしか持っていませんし、年金機構が持っていた情報は今まで通り年金機構のみが保有します。

ただ、行政機関が相互に情報連携した際に確実に個人を特定できるマイナンバーを用いて、同一人である「名寄せ」が確実に行えるようになっただけです。

マイナンバーで個人情報が分かってしまうのか?

これまでの説明で、マイナンバー制度が始まったとしても、企業や行政機関が保有する個人情報に変わりがないことがお分かり頂けたかと思います。

このため、マイナンバーで今まで分からなかった個人情報が把握できてしまうのではないか?という疑問については、「今までと変わらない」という回答となります。

マイナンバー制度の導入で変わるのは、今までも把握できたはずの個人情報が、マイナンバーという便利な「名寄せキー」ができたことにより、「このデータとこのデータが同じ人の情報である」ということを把握できるようになるということです。

なお、企業や行政機関がマイナンバーを取扱いできる範囲は、法律で厳密に決められています。これに違反すると、会社員や行政の職員を問わず、罰則の対象となります。

このため、法律で定められた範囲を超えて情報を取得することはありません。

また、マイナンバー制度では、我々市民が、マイナポータル(https://myna.go.jp/)というサイトを通して、各行政機関が情報提供ネットワークシステムを通してやり取りした記録や、各行政機関が保持している自分の情報を確認できる様になりました。

この様に、マイナンバー制度は個人情報保護にも十分に配慮された制度と言えるでしょう。

マイナンバーを会社に提出するのは義務?

マイナンバーを会社に提出するのは「法令で定められた義務」となります。

政府広報の「マイナンバーQ&A」では、「社会保障や税の決められた書類にマイナンバーを記載することは法令で定められた義務であることを周知し、提供を求めてください」と記されています。

先に説明した通り、マイナンバーを提出してもしなくても、各行政機関は皆さんの個人情報を保有しますので、提出を求められたら指定された方法できちんと提出する様にしましょう。

政府広報オンライン「社会保障・税番号制度<マイナンバー>」の特集ページ「マイナンバーQ&A」より抜粋
http://www.gov-online.go.jp/tokusyu/mynumber/faq/

ちなみに、先に「企業や行政機関がマイナンバーを取扱いできる範囲は、法律で厳密に決められています」と説明しました。

一般的な企業でマイナンバーを利用できる範囲は、健康保険や厚生年金の手続き、確定申告や年末調整、住民税の申告納付手続きなどとなります。

企業が従業員のマイナンバーを収集する際には、その利用目的を伝える必要があります。

また、マイナンバーを収集する際には、本人確認を厳格に行う必要があります。

具体的には「写真付きの身分証明書(免許証やパスポート等)」と「マイナンバーを確認できる公的な書類(個人番号通知カードや住民票等)」の確認が行われます。

この2つの確認を1枚で行われるのが「マイナンバーカード(個人番号カード)」ですので、入社や転職の前にマイナンバーカードを取得しておくと便利です。
この様な「収集のルール」も知っておくと、戸惑うことなくマイナンバーの提出ができることと思います。

マイナンバーの提出を拒否するとどうなる?

とはいえ、マイナンバーの提出を拒否できないということではありません。

先ほどの「マイナンバーQ&A」では、「提供を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録、保存するなどし、単なる義務違反でないことを明確にしておいてください」、「個人番号の記載がないことをもって、税務署が書類を受理しないということはありません」とあります。

また、マイナンバーの提出を行わないことに罰則はありませんので、どうしてもマイナンバーの提出に抵抗がある場合は、提出を拒否しても構いません。

まとめ

マイナンバー制度にて整備された「マイナンバーカード」や「情報提供ネットワークシステム」は、「社会的インフラ」と言われています。

高速道路と同じインフラですから、ルールをきちんと知っていれば、マイナンバーの活用には多くのメリットもあります。

マイナンバー制度やその仕組み、マイナンバー利用のルールをきちんと学んだうえで、正しく活用することは、社会人の新たな一般常識の1つと言えます。



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