部下の育成や後輩の育成に悩む方の声を多く聞きます。というより、部下や後輩を持つ立場になれば、多かれ少なかれ皆さんが悩まれるのでしょうね。社会人の通過点なのでしょう。どうせなら戦略的に人材を育成したいものです。

本記事では、人材育成の目的と効果的なOJTの進め方・方法を紹介します。

人材育成とは自分と周りをハッピーにできる人間を育てること

「何のために仕事をするのですか?」と考えたとき、会社や社会に貢献するためであるとか、能力を磨くためとか、お金を稼ぐためとか、様々な価値観が有るでしょう。

こういった思いは全て大切なものですが、どうしても温度差があるものです。

特に新入社員や若手社員に「バリバリ仕事をしてきた先輩」の考え方は、直ぐにピンと来ないものです。

但し、「どうせ仕事をするなら楽しく、充実した時間を過ごしたい」という意見には多くの方が共感するはずです。

ならば、堅苦しく考えるのをやめて、「あなたもあなたの周りもハッピーにして楽しく充実した社会人生活を送るためのスキルを身につけませんか?」と問いかけてみましょう。

例えば、タイムマネジメントを磨くことにより短時間で多くの成果を挙げられる様になれば、自分も早く帰れますし、会社も無駄な残業代を払わずに済みます。先輩も自分の仕事に向かう時間が増えるのですから、ハッピーですよね。

まずはその人が会社という環境の中でどの様に幸せになって行くのか、どういう技術があれば活躍しやすいのかをきちんと考えましょう。

その上で、人材育成される側の「納得感」を作り、OJTに前向きに望ませることが肝心です。

新人の「腑に落ちる」言葉を使って、OJTの目的をきちんと伝えましょう。

まずは仕事に必要なスキルを整理しよう

人材育成とは「自分や周りをハッピーにできる能力」を育てていく事と説明しました。

このハッピーにする能力とは、社会人に求められる「人間力」と言い換えても良いでしょう。

この社会人に必要なスキルとは、具体的に何でしょう。

幸いにも、今は経済産業省が「社会人基礎力」と呼ばれる「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」を明文化してくれています。元々は大学等における教育カリキュラムのために定義づけられたものの様ですが、新社会人や若手と呼ばれる社会人に必要なスキルを上手くまとめています。

この「社会人基礎力」は、「3つの能力」と「12の能力要素」から成ります。これについて簡単に紹介します。

3つの能力

① 前に踏み出す力(アクション)~一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力~
② 考え抜く力(シンキング)~疑問を持ち、考え抜く力~
③ チームで働く力(チームワーク)~多様な人々とともに、目標に向けて協力する力~

「前に踏み出す力(アクション)」の構成能力

・ 主体性:物事に進んで取り組む力
・ 働きかけ力:他人に働きかけ巻き込む力
・ 実行力:目的を設定し確実に行動する力

「考え抜く力(シンキング)」の構成能力

・ 課題発見力:現状を分析し目的や課題を明らかにする力
・ 計画力:課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する
・ 創造力:新しい価値を生み出す力

「チームで働く力(チームワーク)」の構成能力

・ 発信力:自分の意見をわかりやすく伝える力
・ 傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力
・ 柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
・ 状況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
・ 規律性:社会のルールや人との約束を守る力
・ ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力

この内容を見て、大きく頷ける先輩方も多いのではないでしょうか。

実際の会社の若年層の人材育成は、このスキルに仕事に必要な「テクニカルスキル」を組み合わせることで新人研修から数年間で学ぶべきスキルセットを定義できます。

「スキルセット」とは、自分が持っている知識や技術のことで、「テクニカルスキル」とは、特定分野の職務を行うために必要な専門知識や技術の総称です。

まずはこのスキルセットについてOJTをする側/される側の両者で共有しましょう。これにより、人材育成のミッションを明確に示すことができるはずです。

On-JTとOff-JTの両方を組み合わせよう

OJTとは「On the job training」の略語です。言わずもがなですが、新たに入社した新人が、職場において上司や先輩などから、実際の職務を通じたトレーニング、教育を受けることを指します。

これに対し、Off-JTという言葉をご存知でしょうか。Off-JTとは「Off the job training」の略語で、職場での業務を離れて行われるトレーニング、教育のことを指します。一般的には社外研修の受講などを指す事が多いようです。

OJTの長所としては、業務に即した内容を短期間に指導できることが挙げられますが、OJTをする側/される側のスキルが不足していると、思う様な成果が挙がらないと言われています。

このため、有効な人材育成にはOJTとOff-JTを組み合わせて取り組むことが肝要です。

先に示した12の基礎力及び仕事に必要なテクニカルスキルを、どの方法でどの様に学ばせるのか、きちんと計画を立てましょう。

Off-JTの内容は社外研修でも良いのですが、「Off-JTに掛けられる費用が無い」場合は、参考書を読み込むことでも、仕事を離れて先輩と飲みに行くだけでも、既に「身に付けるべきスキルを把握している」新人には学びがあるはずです。

難しく考えず、自分たちに与えられたリソースの中で、先の12の能力と仕事に必要なテクニカルスキルを如何に学び、ハッピーになれるかを考えて進めてみましょう。

自分のコピーを作ろうとしない

実力のある先輩、後輩思いの先輩が陥りやすいミスがこれです。

自分が頑張ってきたことに自信があるからこそ、自分と同じ様な道を歩ませたい。まさに親心なのですが、これはOJTされる側にとってうれしい事ではありません。

一生懸命働いてお金を稼ぎたい人、定時に毎日帰宅して趣味の時間を持ちたい人、仕事の中でとにかく自分のスキルを磨くことに価値を感じる人、現代の価値観は多様化しています。

会社に貢献するスタイルも多様です。リーダーシップを発揮して先頭で引っ張る人、確実でミスの無い仕事ぶりを発揮する人、皆が尻込みしてしまう様なチャレンジングな仕事を喜ぶ人、どのスタイルでも周りをハッピーにする事ができます。

自分の経験談、失敗談はおおいに話しましょう。それが部下との信頼関係を醸成します。但し、自分の価値観や仕事のスタイルを押し付け過ぎない事に気を付けてください。

部下と共に人間力を向上しよう

「社会人基礎力の12の能力要素」を見て、「こんな能力、自分も高くないから新人に教えられないよ」と尻込みしてしまう先輩も多いかもしれません。

しかしながら心配は不要です。社会人基礎力は新人に必要な能力であると共に、OJTを担当する先輩側も磨き続けていかなとならない能力でもあります。後輩と一緒に「人間力」を向上する事でOJTをする側もされる側も成長が期待できます。

社会人基礎力を磨く場所ややり方は、何でも良いのではないでしょうか。

OJTする側が外部研修に参加するも良し、ビジネス書を先輩が読みお勧めを部下に読ませるのも良いでしょう。

会社のトイレ掃除をするも良し、コンビニでレジのおばちゃんに感謝の気持ちを伝えながら手を添えて優しくお金を渡す姿を見せる事だって人間力を磨くことに繋がります。

部下と共に人間力を向上しましょう。

上手くいかなくて当たり前。明るく前向きに部下や後輩の育成に取り組もう

OJTは一般的に見て、新人の直属の上司・先輩が担当する事が多いようです。これは何故でしょうか。

会社側にしてみれば、それまで含めて教育だと思っているという事です。

完成した教育カリキュラムの中で進めるより、若手が新人をサポートし、試行錯誤しながら1人の新人を社会人として自立させる。会社はここまで考えて若手にOJTを任しています。

同じ失敗を繰り返さないためには、PDCAのサイクルをきちんと回すべきですが、トライすることを尻込みする必要はありません。

そこで大切にすべきなのは、明るく楽しい雰囲気作りです。

OJTをする側もされる側もハッピーなOJTにぜひ取り組んでくださいね。



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