「職場の人間関係に巻き込まれ、仕事に支障が出ている。」
「仕事場での人間関係がうまくいかず、辛い、悩んでいる。」
という方も多いのではないでしょうか?
仕事の人間関係は、「単なる職場での人間関係」だと割り切る方が、人間関係はおろか仕事も順調になる場合があります。
何より、悩んでいた自分の心がかなり軽くなる事が実感できますよ。
その理由とコツを見ていきましょう。
現在の職場の人間関係はとてもドライ?
現代の人間関係はとてもドライとも言われます。
これが本当だとすれば、職場の人間関係もドライで「所詮、仕事での人間関係だ!」という感じで割り切っている人も多いのではなか?と思われるかもしれません。
ただ、現実は逆です。
現代は、「人間関係にドライ」というよりも「人間関係に慣れていない」というのが本当の所ではないかと思います。
人間関係に慣れていないと、一見ドライで人間関係に興味がないように見えます。
しかし、ちょっとしたきっかけから、距離感を詰めすぎてしまったり(友達や恋人になりたがる)、逆に感情がこじれると、いきなり罵倒したり、仕事をしなくなってしまうなどの問題行動を起こしてしまいます。
仕事をする上での適切な「距離感」というのは、そう簡単にできるようにはなりません。
長年の、コミュニケーションスキルを総動員しなければ、会社での高度な人間関係は維持できないのです。
人間関係が得意でない、職場の人間関係でつまずいた、という方は、ぜひ次章からの内容を参考にしてみましょう。
仕事の人間関係と割り切った方が良い理由
「仕事の人間関係だ」と割り切った方が、返って職場の人間関係はうまくいく、その理由を述べていきたいと思います。
仲良くしようとすればするほど軋轢が生まれる
職場の人間関係といっても実に様々な関係性があります。
上司ー部下、部署内の同僚、同じ事務所内の仲間、役員クラスのお偉いさんなどなど、上げればキリがありません。
ただ、全ての人と仲良くしようと思っても中々うまくいくものではありません。
あなたが職場の人と「仲良くしたい」と思うのはどうしてでしょうか?
「仕事をうまく進行させたいから」でしょうか?
多くの人は「そうだ」と答えるかもしれません。
ただ、多くの人はそれ以上に仲良くしようとしたり、無理に他人に合わせたりしていないでしょうか?
それはもしかしたら、全ての人と仲良くできないと、自分の「存在価値」が無くなってしまうのではないか?という「不安」かもしれませんし、「人様に迷惑を掛けてはいけません!」というような親からの強い刷り込みが、「仲良くしなければ!」という強迫観念を生んでいるのかもしれません。
人間の中には、普段意識していない、このような感情や欲求が渦巻いています。
どちらにしろ、「仲良くしたい」「人間関係を良好にしたい」と思えば思うほど、人は本気になり、逆に裏切られた時に傷ついてしまいます。
その結果、極端に相手を無視したり、逆に近づいてみたり、適切な距離が保てなくなり、破綻してしまうのです。
仕事場で人間関係を円滑にするためには、一歩後ろに下がって、「その人との適度な距離を保つ」事を徹底させればよいのです。
結果、心に余裕が生まれ、ちょっとやそっとの軋轢が生じても、「まあ、いいか」と余裕を持って対処できるのです。
感情は捨て去った方が、人間関係はうまくいく
本来的な話に戻れば、職場とは「仕事をする場所」です。
もちろん、恋愛や友情をはぐくんではいけない、という事はありません。
ただ、人間関係がうまくいっておらず、悩んでいるのであれば、まずは本来の「仕事をする場所」という原点に立ち返るべきです。
その時には、まず感情を捨て去り、論理的に考えるようする事が何よりも大事なことです。
つまり、「仕事の人間関係なのだから(割り切って)、仕事以外の余計な感情や関係性は無くすか、考えないようにしよう」という事です。
(具体的内容は次章で詳しく説明していきます。)
仕事の人間関係と割り切って、人間関係をよくするコツ
ここでは、どのようにすれば「仕事の人間関係」と割り切って、人間関係をよくできるのか、そのコツを述べていきます。
ポイントは、いかに自分の気持ちを軽くできるか?という所です。
以下のコツを試して自分の気持ちがスッと軽くなるようであれば、成功していると言えるでしょう。
ぜひ、試してみる事をお勧めしておきます。
所詮、仕事の人間関係だ、と考える
「所詮、仕事の人間関係だ。」と考えましょう。
あなたの人生において、会社はそれほど重要な位置を占めていません。
単なるお金稼ぎの場所でしかない、と考えても良いでしょう。
もちろん、現在の仕事(職務)にプライドを持っているという場合もありますが、所詮会社はそれを実現するための「場所」に過ぎません。
ゆえに、人間関係でうまくいかなければ、別の会社に転職すれば良いだけの事です。
あなたに本当の実力とモチベーションがあるのであれば、どの会社でも喜んで迎えてくれるでしょう。
また、会社の人間関係は、家族や肉親と違い、会社を辞める(部署を異動する)だけで簡単切れてしまうようなものです。
どうして、そのような人間関係で思い悩む必要があるのでしょうか?
私も、会社に在籍している頃は、10人以上に知り合いがいました。
仕事だけでなく、飲み会やランチなども一緒にしながら、会社の未来をみんなで話し合った事もあります。
ですが、会社を辞めて2年経ちますが、もう関係性は一切ありません。
仕事がなくなれば、このようなものなのです。
どうして、このようなどうでもよい人間関係で思い悩まなくてはいけないのでしょうか?
会社の人間関係で思い悩むぐらいであれば、その分、妻や、子供、親などの大事な家族との人間関係を良くした方がよほど有益と言えないでしょうか?
どうでしょう?このように考えれば、少し気持ちが楽になった気がしませんか?
こうして、会社の感情の泥沼から一歩身を引いて、俯瞰的に眺めてみましょう。
俯瞰的に眺めるというのは、感情でなく論理的に理性で考えてみるという事です。
色々な物が見えて来る事でしょう。
仕事に集中し、それが達成できるかどうかのみ考える
泥沼の感情から一歩引いて、冷静に考えてみると、結局職場というものは「仕事をしてお金を稼ぐ場所(あるいは自己実現をする場所)」という事になります。
ですので、自分の仕事の進捗を最大利益化する人間関係だけに気を配ればよい、という事になります。
この考えを元に、再度会社の人間関係を見直してみましょう。
何よりも重要な関係性はやはり上司という事かもしれません。(小さな会社の場合は、社長かもしれません・・)
この関係性は、ある程度犠牲を払ってでも良くする方がよいでしょう。
もしうまく行かないようであれば、潔く撤退を考えましょう。(思い悩む必要はありません。会社を辞めてしまえば、パワハラ上司も単なる人です。道ばたで会ったら、無視するか生卵でも投げつけてやりましょう!)
それ以外では、同じ部署の同僚は、ある程度重要な関係性かもしれません。
このように、重要な関係性、中ぐらいの関係性、どうでもよい関係性、と人間関係をランク付けしましょう。
そして、仕事をやる上でどうでもよい関係性は、明日からでも気にしないようにしましょう。
このように、会社の仕事をする上で、どうでもよい関係性を取捨選択すると、かなり人間関係はすっきりしてくる事でしょう。
その分、余計な気遣いをしなくて済むので、仕事に集中できます。
また、「ダメであれば転職すればよいだけ。」と腹をくくってしまえば、明日から上司にも言いたい事が言えるのではないでしょうか?
実際、そうした方が、物事はうまい方向に進むかもしれません。
上司も、「急に(言いたいことが言える)できる人になったなあ・・・」と感心して見てくれるかもしれませんよ。
プライベートは、あまり話さない
仕事は仕事として一生懸命やるとして、逆にプライベートな事はあまり話さないようにしましょう。
自分の個人の携帯番号を色々な人に教えてしまい、返ってめんどくさい人間関係に巻き込まれている、という事はないでしょうか?
何度も申し上げますが、職場の人間関係はあくまで仕事をやるためだけの人間関係です。
プライベートにはなるべく立ち入らせないようにしましょう。
アフター5も土日も会社の人間関係で染まってしまうと、逆にその会社の事だけしか知らず、いざと言うとき(つまり辞める時)身動きができなくなってしまいます。
その会社に依存してしまう、とも言えるでしょう。
世界はとても広いのです。アフター5や土日は今の会社や業界から離れて、色々な事を体験しましょう。
趣味、副業、スクール、ボランティア何でもよいのです。
終身雇用がすでに幻想となった今、一つの会社の関係性にしがみつくよりも、多方面に人脈や知り合いを作った方が、余程将来のためになる、と言えるでしょう。
ぜひ、そうなるように努力してみてください。
本当の信頼関係を醸成するには?
ここまで読んできて、「本当に質の良い仕事をするためには、人間同士の信頼関係が無くてどうする?「所詮仕事上での人間関係だ」と割り切る事が良いとは思えない。」という感想を持たれた方もいるのではないでしょうか?
確かに、仕事をする上での信頼関係は大事です。
ただ、その信頼関係を得るために、プライベートや寝食までも共にしなければ、信頼関係が生まれないというのは前時代的です。
なにより、その理論が正しいのであれば、なぜ寝食を共にしている夫婦の4人に1人は離婚しているのか?なぜ深刻な幼児虐待は起こってしまうのか?という事への回答はできません。
私は先ほど、会社に在籍している時にいた知り合いとは連絡を取っていない、と言いました。
ただ、別にそれについて怒っているわけでもなければ嘆いているわけでもありません。
むしろ、仲間とともに会社の事について真剣に語り合った時代をなつかしく、いい思い出として残っています。
それは、「単なる仕事上の関係性」でしたが、確かに「信頼関係」はあったのです。
仕事上の信頼関係は、「仕事」によってしか築き上げる事ができません。
そのように考えて、仕事に邁進してみてはいかがでしょうか?
「仕事の人間関係」と割り切る事は、仕事の人間関係に集中する事
仕事の人間関係だ、と割り切る事は、何も会社の人間関係をどうでもよいものだ、と考える訳ではありません。
余計な感情やしがらみを捨てて、仕事だけに集中する事です。
そして、仕事上で人間同士の「信頼関係」を築き上げてゆく事です。(それ以外の事は、副二次的なものです。必要がない、というわけではありませんが、なるべく少なくすれば、その分仕事に集中する事ができます。)
会社を辞めて、仕事がなくなればその関係性は消失するかもしれませんが、その思い出はあなたの中で燦然と光り輝いている事でしょう。
また、その中で培った経験やスキルは、次の職場でも十二分に生かせる事でしょう。
ぜひ、そうした仕事のやり方を思考してみてはいかがでしょうか?