今回の記事は、転職を考えている方で、
「なんとか給料が上がるように交渉したい。」と考えている方にお勧めしたい記事です。
給料が上がるために交渉の仕方を5例紹介致します。
希望水準を間違えない
あなたは、希望の給与水準をいくらで設定していますか?その根拠は何でしょうか?
「給与を上げたい」と考えている場合、その理由の多くは、生活費が苦しい、将来のために貯蓄をしたいなどの理由が多いのではないでしょうか?
少し、視点を変えて「自分のスキルや職責、仕事量に比較して、自分の給与水準は適切なのか?」ということをぜひ考えてみましょう。
「生活費が苦しい」「貯蓄したい」などの理由は、もちろん切実な問題ですが、敢えて冷徹に言うのであれば「雇用者側」には関係ない事なのです。
雇用者側は、その能力や責任に見合う給与を支払いたいと考えています。
ですので、給与希望水準は自分の生活水準や貯蓄額(あるいは将来にわたって貯蓄したい額)からの算定と同時に、自分の職責や能力からも同じように算定してみてください。
両者を比べる事により、より適性で給与交渉ができるおよその給与水準が割り出せます。
交渉先の給与水準も頭に入れておきましょう
希望水準を考える上で、交渉先の給与水準は重要です。ぜひ、事前に調べておきましょう。
通常は、求人案件に詳細が記載されています。
しかし、諸手当(家族手当、地域手当、寒冷地手当、営業手当などなど)については不明な部分も多いので、問い合わせしてもよいと思います。
また、転職エージェントなどを利用して、間接的に聞くのもよいと思います。
あまり法外な金額を交渉しても、交渉先の会社における給与水準があります。
その額と希望水準がかけ離れていないか、事前によく調べておく事が必要です。
給与交渉できるスキルや実績を事前に準備する
給与交渉するにあたって一番重要な事は、「自分にはこれだけの能力やスキルがあります。なので、これだけの範囲の仕事ができます。よって、御社の○○レベルの給与水準が適性です。」と交渉できる事です。
ですので、事前に自分のスキルや能力に関してはよく把握しておく事が必要です。
スキルの棚卸しをしてみましょう
自分のスキルを見直してみましょう。
資格はもちろんの事、パソコンソフト(ワード、エクセル、パワ-ポイント、ファイルメーカーなど)なども、どの程度のレベルで使いこなせるのか書き出してみてください。
また、そういったツールを使ってどの程度までの事ができるのかも重要な部分です。
例えば、エクセルを使って売り上げ分析ができるというのはそれなりのスキルになりますが、その結果を会議でのプレゼン資料(多くはパワーポイント)にできる、あるいは会議での発表もできるというと、事務方としてはかなりのスキルとなります。
また、語学スキル(特に英語)は非常に重要な点です。
それなりの資格(英検、TOEICなど)があればもちろんベターですが、通常業務として、メールでの細かいやりとりができるか?英語でのプレゼン資料作成はできるか?会議での直接のディスカッションができるか?などの表現でも問題ありません。
以上のような感じで、実際の業務と照らし合わせ、どの程度までの業務レベルができるのかを踏まえつつ、自分のアピールポイントなどを探すとよいでしょう。
職歴・経験は、具体的に考える
職歴というと、例えば営業職であれば、「営業をやっていました。」で終わってしまう人がいますが、より具体的にどんな営業ができていたのか考えるとよいでしょう。
ほぼ飛び込みなのか、ある決まったルートをめぐる営業だったのか?などです。
また営業の内容も、より専門的な知識を顧客に詳しく説明するタイプの営業という場合もありますし、より話術を駆使してお客さんに買ってもらえるように仕向ける営業の場合もあるでしょう。
それぞれの業界・業種によりタイプは様々でしょうが、要は交渉先の会社に、「これは使える!」と思って貰えるように、職歴・経験はより具体的に考えておくとよいでしょう。
管理職経験よりマージメント能力が重要!
給与交渉のあたり、なんと言っても管理職経験は大事です。
なぜならば、どの会社でも一般的には、管理職ほど要求されるレベルは高いですし、給与水準は高い事が予想されます。
場合によっては、管理職手当など別に貰える報酬体系の場合もあります。
ただ管理職経験というのは、現在では、ただ部下を統率する管理能力を満たしていればよい、という事ではなくなってきました。
より高度なマネージメント能力があるかが大きな鍵となってきています。
逆な言い方になりますが、部下を統率した事がなくても、マネージメント能力があると認められれば、それは給与交渉時の大きな武器になる事でしょう。
それでは、マネージメント能力とはどういったものなのでしょうか?
マネージメント能力とは、課題の抽出や成果の出る目標の設定、成果までの行程管理、部下への仕事配分と管理、社内あるいは社外との対外交渉など、つまり会社という組織にいながらも、ほぼ独立して業務を請け負う事ができる程度の管理能力をいいます。
全てでなくてもよいので、こうした経験がある方は、ぜひ前面に出してアピールする事をお勧めします。
給与交渉は選考中にする事
具体的な給与交渉は、選考中に行った方がよいでしょうか?それとも、内定後の方がよいのでしょうか?
内定後に給与交渉をしたいという方は、「選考中に給与交渉をしてしまうと、自分本位な人だと思われて不利でないか?」と考えていませんか?
これはそれぞれのケースによって異なりますが、結論からいえば毒にも薬にもなると思います。
要は、面接官が「この人は給与交渉までする自己が確立できており、ポジティブでやる気にあふれている。」と判断するか、「この人は、給与の事ばかり気にしており、自己中心的でトラブルメーカーかもしれない。」と思うかです。
ぜひ、面接官にポジティブに捉えてもらえるようにしましょう。
そのためには、給与交渉よりも前に、自分の熱意やスキルを十分伝えるようにします。
これが逆になると、後者のようなネガティブな印象になってしまいます。
内定後の給与交渉はトラブルになるかも
内定後の給与交渉はあまりお勧めしません。
内定が確定後に給与交渉を行うと、これまでの面接等での相互理解が土台から崩れてしまう可能性もあります。
会社は会社の給与体系があり、それを超えたものを要求すると、役員レベルに1から確認し直すといった業務も発生し、何かとトラブルになる可能性もあります。
注意してください。
交渉は面接の時に対人で行う
給与交渉はなるべく対人で直接会って交渉してみてください。
交渉事と呼ばれるものすべてに一般的にも言える事ですが、他人に対して、何かを説得したり交渉したりという場合、相手にこちらの熱意や気持ちを分かってもらえるようにする事が最も大事なことです。
以下に対面交渉の利点をいくつか紹介致します。
対面における情報量が最も多い
対面のおける有利な点は、何よりも情報量がメールや電話に比較して圧倒的に多いということです。
交渉事は、臨機応変さが命です。
臨機応変に対応するためには、その判断材料となる情報量が多い方が良いのは言うまでもありません。
相手の言葉の表面をなぞるだけでなく、その時の声の大きさや声色、視線、しぐさなど最大限に情報と収集してみましょう。
その上で、交渉が可能なのか、可能であればどの程度まで上乗せできるのか、などを判断してみてください。
対面で相手に印象操作をする
対面で相手に与える情報量はこちらも同じです。最大限活用しましょう。
やる気や熱意を伝えたい時は、少し声を大きめに、はきはきと受け答えします。(やりすぎに注意!)
給与交渉事は、最初にあまり圧力を加えないように、少し控えめに始めます。
相手の印象や感情を読み取りながら、いけると思えば、少し強めの感情を押し出す感じでもよいでしょう。
とにかく、あまりネガティブな印象を与えないように、こちらのやる気や熱意が十分伝わるように配慮してみましょう。
交渉のタイミングは「最後に何か質問はありますか?」と聞かれた後
「交渉のタイミングは、面接のいつ頃がよいでしょうか?」これがもっとも聞きたい事の一つではないかと思います。
個人的な体験からいけば、中途採用の面接は相互理解の場です。
新卒採用のような一方的な圧力面接は少なく、給与面や福利厚生、勤務時間に関して疑問点があれば、問題なく聞けている面接が多かったように思います。
親切な面接官であれば、「給与面や勤務時間等に関してご不明点はございますか?」とわざわざ聞いてくれます。
こういった場合は、ぜひこの場面を捉えて給与交渉をしてみてください。
ただ、以外と圧迫面接で、こちらから切り出しずらいというような場面もあることでしょう。
そのような場合は、必ずある面接官の常套句は「最後に何かご質問はありますか?」です。
この機会を逃さず、給与交渉をはじめてみてください。
スムーズに交渉を進めるためには、「御社の給与は、ベースが○○で、ボーナスが○○×業績評価、手当が○○で・・・という理解でよろしいでしょうか?」といった感じで「確認事項」として進めるとハードルが低いでしょう。
こうした確認事項で進めてゆくと、自然とどの部分で給与交渉ができそうか、ターゲットが絞りやすくなります。
標準的な考え方でいえば、手当などの変更は難しいでしょう。(弊社規定の給与体系があります、で終わってしまう。)
むしろ、業績に応じて決まる業績給(ボーナスと連動している場合が多い)やベース給(職能やスキルで段階がある場合が通常)が狙い目といえるでしょう。
それ以外の交渉タイミングの作り方
それ以外にも交渉タイミングの取り方がいくつかあります。参考にしてください。
一つは、面接日時の設定時に、メールで問い合わせをしておく事です。
どうしてもうまく切り出しづらい人は有効です。
ただ、あまり細かく設定してしまうと断定的に伝わるので、「給与面についての詳細を面接時に聞きたいのですが・・」といった感じで、おおざっぱに提示しておくとよいでしょう。
二つは、転職エージェントの活用です。
第三者を使って給与交渉を行うタイミングをはかります。
一見、楽と言えば楽ですが、転職エージェントとの信頼関係がないと難しい、自分の熱意が伝わりづらいというデメリットもあります。
ここでは参考程度にとどめておきます。
転職時の給与交渉次第で年収アップも可能です
いかがでしたか?
転職時の給与交渉について書かせていただきました。
当たり前のことですが、転職して給与アップしたいという事であれば、給与交渉する前段階として、別の会社を選択する事もできます。
それを敢えてこの会社に、という場合、やはり「仕事のやりがい」や「この会社が気に入ったから」という事はないでしょうか?
せっかく気に入った会社で、給与交渉したがゆえに面接を落とされてしまった、という事はないようにしたいものです。(もちろん、最終的になぜ面接に落ちたのか?という事は分からないわけですが)
繰り返しになりますが、面接ではまずそのやる気や自己アピールを前面に出す、という事は忘れないようにしてください。
気に入った会社でかつ納得のいく給与で転職が決まるようがんばってください!