パワハラの事例と対策!こんな言葉はパワハラ・モラハラになります

B!

「パワハラを受けている気がするが、どうすればよいか分からない。」

「どこまでがパワハラでどこまでがそうでないのか?」

と悩んでいる方はいませんか?

そんな方に向け、どこまでがパワハラで、どこまでがそうでないのか、またパワハラを受けた場合の対処方法を解説します。

こんな言葉や言動はパワハラになります

ここでは「こんな言葉や言動がパワハラに該当します。」というケースを説明してゆきたいと思います。

よく知られている典型の6類型に沿って詳しく説明してゆきます。

パワハラ全てに言える事は、職場の優位な立場を利用しているという点です。

ですので、1番多いのは、上司であったり、役員(社長、取締役)などからの言動となりますが、先輩や指導役などのあいまいな立場でも発生する可能性が十分あります。

身体的攻撃

ある意味一番分かりやすいパワハラといえます。

たたく、殴る、蹴るなど身体的に加えられる暴力が該当します。

また、懲罰的に廊下に立たせる、デスクに正座させるなどの行為も、精神的な攻撃という面もありますが、十分身体的攻撃に該当する事例です。

とにかく、自分の身体に直接的に危害が加えられるようであれば、まず身体攻撃型のパワハラに該当すると考えて良いでしょう。

精神的な攻撃

もっとも頻繁に起こりうるパワハラの類型です。

個人に対する、侮辱、暴言、強い叱責、怒鳴る、さらし者にするなどの行為が該当します。

ただ、どこまでがパワハラでどこまでがそうでないのか判断するのが難しい事例が多いのも確かです。

ポイントは二つあります。

一つは、「全人格の否定」です。

仕事でミスしたのであれば「あなたのこういった部分がダメだから、以後改善するように。」と「部分否定」による指導でなければなりません。

これが「全人格の否定」となると、「あなたは何やってもだめだね。」「もう、あなたにはこの仕事向いていないかもね。」「本当に役に立たないね。」など、相手の全てを否定するような言動になります。

こういった言動はすべてパワハラに該当する可能性があります。

また、「部分否定」の言葉でも、怒鳴る、大声を出す、机をバンバン叩く、いすを蹴り倒すなどの威嚇的な言動は、十分パワハラに該当するケースです。

音声データなどが取ってあれば、それ以後の告発や交渉に使えます。

もう一つのポイントは、みんなの前で侮辱的な行為が成されたかどうかです。

特に営業職に多いのですが、営業成績を張り出したり、発表するような事があります。

これだけではパワハラとは言えませんが、全員の前で営業成績について強い叱責を受けるなどの行為はやはりパワハラに該当する可能性があります。

多くの人の前で知られたくない事を晒されるという事は、強い精神的攻撃となります。

成績を上げるためという「錦の御旗」を掲げる上司も多いのですが、現在では公衆の面前でこうした行為を行う事は、十分パワハラの事例に該当するのだ、という事を覚えておきましょう。

過大な要求

過大な要求は、できそうもない過大な仕事量を課し、できないと叱責などを行うケースです。

上司に悪意(気にくわない、退職に追い込みたい)があって、こうした行為を行う場合は間違いなく「パワハラ」に該当します。

ただ、非常に面倒なのが、ある意味「優秀な上司」にこうした事例が多いのです。

いわゆる「デキる」上司が勘違いするのは「頑張れば自分と同じようにできるはずだ。」と思っている事です。

部下は、自分と同じようにできるとは限りませんし、モチベーションも個人で様々です。

もちろん、ある程度過大な要求をしても、十分なバックアップやフォローがある場合であれば問題ありませんが、意外に「デキる」上司は、自分の仕事が忙しく、部下をほったらかす事がありがちです。

こうした十分なサポートがなく、過大な要求を行うと「パワハラ」になる可能性が出てきます。

また、業務が終わらないからといって、残業を強要したり、有給休暇を認めないなどの行為を行うと、これは十分「パワハラ」に該当するケースとなります。

過小な要求

過小な要求は、コピーやお茶汲みなどの単純な作業を延々とやらせるような行為を指します。

懲罰的に行う場合や退職に追い込むためにわざと(組織的)に行われるケースの場合は、十分「パワハラ」に該当します。

また、こうした単純な作業しかさせていないのに、人事評価において「仕事ができていない」「意欲が感じられない」など過小評価が付き、実際給与を下げるような行為が行われている場合は、さらに悪質で陰湿です。

ただ、多くのグレーゾーンで見られるのは「上司が部下の指導をあきらめている」場合です。

何らかの理由で、上司が部下の監督・指導をあきらめてしまうと、毎日話しかけるのも面倒という状況になってしまいます。

そのため、適切な業務の配分や指導が行われず、ある意味「ほったらかし」状態になります。

そうした場合、その人は誰でもできる(上司の監督・指導がいらない)単純作業を延々とやるような状況になってしまいます。

もちろん、これは「上司」の怠慢で、やはり「パワハラ」事例に該当します。

それだけ本人の受ける精神的ストレスは多大で、上司には部下を平等に扱い、適切な業務を与える責務があるからです。

人間関係の切り離し

人間関係の切り離しは、全員の飲み会に参加させない、組織でやる仕事なのに自分だけまったく違う仕事をやらされるなど、組織から切り離し、孤立させるような行為を指します。

前節の「過小な要求」と重複する場合もあります。

とちらにしろ、明らかなのは「上司の悪意」です。それもかなり陰湿な部類です。

明らかな暴力や、暴言などは比較的立証しやすいのですが、この類型の場合、陰湿で外部からは気づきにくいのが非常に難しい所です。

明らかな悪意を感じた場合、日記などに事細かく記載しておくとよいでしょう。

「飲み会に呼ばれない」などのケースは、メールなどにも証拠が残るでしょうから、こうした事例を多く集めて、立証してゆく事をお勧めしておきます。

個の侵害

個の侵害とは、個人のプライベートに入り込んでくるケースです。

どこまでが業務の範囲でどこまでがそうでないのか難しいグレーゾーンもあります。

また、異性間で行われる場合は、パワハラというより「セクハラ」に該当する事例の方が多いでしょう。

明確な線引きは、業務と関係ないプライベートな事について聞いているか?」という点です。

「彼氏いるの?」「休日は何しているの?」などは業務に関係ありませんのでNGです。

特に異性に聞く場合は、細心の注意を払うべきでしょう。

あなたが上司という立場にある場合、部下はある意味気を使って「ここで答えなければ、関係性が悪くなるかも?」と無理に笑顔で答えてしまう場合だってあります。

自分が多大な権力を持っており、ある意味その人の人生を左右する事だってあるのだ、という認識は常に持っていてください。

また業務の範囲内でも、深夜時間であったり、一日何度もメールをするような行為は「パワハラ」「セクハラ」に該当する場合があります。

なぜパワハラを我慢してしまうのか?その対策

なぜ「パワハラ」を我慢してしまうのでしょうか?

「みんな我慢している」「言いたいけど報復が怖い」など理由は様々でしょう。

ただ、「我慢」しているという状況はもしかしたらパワハラ側の心理作戦に引っかかっている場合があります。

ここでは、その心理作戦の解説とパワハラへの対策について述べてゆきます。

パワハラをする側が仕掛ける心理作戦とは?

このパワハラを仕掛けている側の心理作戦は、意図的に行っている場合もありますが、多くは無意識に行っている場合もあり、相手に罪の意識がないのが非常にやっかいな所です。

それは、ダブルバインド(二重拘束)と呼ばれるやり方です。

分かりやすい事例でご紹介しましょう。

パワハラ上司のAさんがいます。Aさんは部下のBさんに対し会議の度に怒声を発し「なんて役に立たない奴だ。」「この仕事に向いていない、やめてしまえ!」などの暴言を繰り返します。

ただ、会議後いつも一言二言、言葉を掛けてくれます。

「子供、何年生になった?」「奥さんと仲良くやっている?」などです。

ダブルバインドが何かというと「矛盾するメッセージを異なる階層で行う事」です。

この場合、会議での否定的なメッセージの後に、プライベートに関しては肯定的なメッセージをAさんは発しています。

これが会議の後に「おまえは仕事ができる奴だ。」などと言ったら明らかに矛盾してしまうので、Bさんは「反発」するでしょう。

問題の根幹は「異なる階層」という事です。(この場合、「仕事」と「プライベート」)

この結果生じるのは「混乱」です。Bさんは、Aさんが厳しいけど信頼のおける良い上司なのか、パワハラを繰り返す悪い上司なのか、判断できなくなっているのです。

結果、起こるのは思考の停止です。

はっきり断言しますが、客観的に見れば、Aさんは暴言を繰り返すパワハラ上司です。

その事がはっきり認識できれば、マインドコントロールから一歩抜け出せたと言ってよいでしょう。

もし、あなたが「パワハラ」に我慢している状況であれば、このダブルバインドに拘束されていないかチェックしてみましょう。

対策1:音声データや日記を付ける

マインドコントロールが解ければ、半分以上終わったようなものです。

実際に行動すればよいだけです。

どのように行動するかは自分で決めても良いのです。

会社の人事部が信頼できるようであれば、相談してもよいですし、会社全体が信頼できないという事であれば、弁護士に相談してもよいでしょう。

さっさと転職するのもよいでしょう。

ただ、人事部に相談するにしろ、外部の弁護士に相談するにしろ、証拠が必要になります。

音声データ、メールのやりとり、勤務時間、毎日付けている日記など、どれも十分証拠となり得ます。

来たるべき時に備え、十分な物的な証拠を用意しましょう。

対策2:外部機関への相談

本来であれば「人事部」は、こうしたパワハラ事例に機敏に対応すべきなのですが、会社全体にそれを「問題なし」として、見ないふりをしている場合があります。

こうした場合、会社における自浄作用は機能していない場合がありますので、外部機関に相談してもよいでしょう。

ただ、外部機関に相談する場合、最終的に何を目的とするのかアウトプットを考えておきましょう。

その会社に残る事前提で、パワハラを無くしてもらう、会社を辞めるが賠償金を取りたい、などなどいくつか考えられます。

もし、単に誰かに話したいという事であれば、友達や親でもよいかもしれません。

会社の人でない人に話すだけでも、自分を客観的に見つめ直す事ができます。

パワハラを受けたらうやむやにしないで行動を起こす事が大事です

パワハラを受けても、色々な理由を付けて我慢している人は非常に多いです。

もしかしたら、パワハラ側の心理作戦にはまっている可能性があります。

これまで上げた事例が実際あるようであれば、どんな理由を付けようともパワハラはパワハラです。

それはまぎれもない事実なのです。

ぜひ、そう思って行動を起こしてみましょう。

最新の記事はこちらから