「転職はしたいが、次の職は何をしたらよいか分からない。」
「なんとなく今の仕事は合わない。ただ自分に何が合っているか分からない。」
という方も多いのではないでしょうか?
そんな方に向け、転職したいけど何をしたいか分からない時の対処法をお教えします。
現代は明確な「意思」が必要な時代
残念ながら、10年後には私たちの働き方は激変しているかもしれません。
結論から言うと、「誰でもできる仕事」「キツい仕事」などは私たちの前からほとんど消えているかもしれません。
一つは、AIの発達です。マニュアル化でき、かつ特殊な技能がいらない職種は、ほとんどAI(人工知能)を使用したコンピューターに置き換わると言われています。
もっとも身近な所では、「一般事務職」などが典型です。
簡単な電話対応や、経理処理、売上げ計算、出荷指示などの軽事務は、そのすべてがコンピューターによる自動制御に置き換わる可能性があります。
会社側にとっては、もちろん初期での設備投資が必要ですが、長いスパンでは人件費よりも安く、何よりミスがほとんどなく教育訓練もいらないのが魅力です。
もう一つは、「外国人労働者」です。日本人はあまり好まないキツい職場、「飲食業」「コンビニ」「建設業」ではかなりあたりまえになってきました。
みなさんも、コンビニのレジなどで彼らを見るのは当たり前になってきているのではないでしょうか?
これまでは、日本人のなり手がいないから、という消極的な選択肢としての外国人労働者でした。
しかし、彼らはあまり文句もいわず真面目に働きます。
なまじ、偏向的な知識で、給与がどうの、残業がどうの、と不平不満ばかり述べ、従順でない「日本人」よりも「外国人労働者」の方が「使いやすい」との評価も広がっています。
このように、現在何とかなっている仕事でも、10年後にはほとんど消えている可能性があるのです。
このように激変する環境の中で私たちができる事は一つ、それはいかに自分の付加価値(スキル、キャリア、経験)を高め、高価値の仕事をするかです。
そのためには「自分が何をしたいのか」を知って、モチベーションを高める事がとても重要になってきているのです。
なぜ転職したいのかを明確にする
まず、なぜ自分は転職したいと思うのかを明確にしてみましょう。
転職したい理由が分かる事で、次の行動がしやすくなるからです。
例えば、「現在の給与が少ない」というのであれば「給与がアップできる」職場を探すのが、第一目標となる事でしょう。
「そんなの分かっている」という方も多いでしょうが、まずは以下のように紙に書き出してみるという事が重要です。ぜひやってみましょう。
なぜ転職したいのか理由をリスト化する
まずは、なぜ転職したいのか?という理由を紙に書き出してリスト化してみましょう。
少なくとも5つは書き出してみましょう。
「そんなに思い浮かばない」という方は、以下のように考えてみましょう。
例えば、あなたが一番強く考えている転職理由が「上司が嫌いだから」としましょう。
それでは、今より給与が1.3倍アップするとしたらどうでしょうか?
これで転職を考え直す、という事であれば、普段はあまり考えていないかもしれませんが、「現在の仕事量(上司への対応も含め)に見合った給与をもらえていない」という事かもしれません。
このような感じで、給与、職場環境(キツさ、残業)、仕事のやりがい、将来設計なども関連して現在の会社ではどうなのか?という事を考えてリスト化してみるとよいでしょう。
転職したい理由をスケール化する
リスト化が終われば、それぞれの「転職理由」の項目をスケール化してみましょう。
スケール化というのは、「転職したい」という気持ちを100%として、各項目がどの程度のウェイト(%)なのかを決めてゆく事です。
5項目あれば、5項目全部足せば100%になります。
ここまでできれば、項目のウェイトがそのまま優先順位ということになるでしょう。
例えば、「給与が低い」が1位で、「仕事のやりがいがない」が2位であれば、次の転職先としては、まずは給与UPが大前提で、やりがいも持てる職場であればなお良い、という事になるでしょう。
このように、転職理由を明確化し、スケール化する事で、次の行動(主には転職活動)への指針を明確に決める事ができます。
「何がしたいか分からない」を分かるようにする方法
ただ、「本当は、自分は何がやりたいんだ?」「何が自分の適職なのか?」という事は考えないと、今後のスキルアップやモチベーションの維持は難しいでしょう。
ここでは、「本当にやりたい事」を見つける方法をお教えします。
本当にやりたい事は「今、自分が自然にできている事」
「本当にやりたい事」は「自分の天職」「苦労しないで楽しい」などと考えてはいないでしょうか?
これはかなり理想化し過ぎです。
実際に「自分の天職」を見つけられる人はごくまれです。
また、そう言い切れるということは、逆に言い方をすれば「それ以外はまるでダメ」というかなり極端で柔軟性の低い世界に生きているという事です。
そのため、「自分にはこれしかない、これをあきらめたら自分は終わってしまう。」と、いつも極限まで自分を追い詰めている人です。
決して、「楽して楽しい」人生を歩んでいるわけではないのです。
ですので、「自分の天職」を見つけるというような「大きな夢」はさておいて、自身の足下を見つめる事から始めてみましょう。
やりたい事というのは実は自分の足下に転がっているものなのです。
それは、「何か考えたり、悩んだりしなくても自然に自分ができている事」です。
例を挙げるのであれば、「睡眠時間は短時間でも大丈夫」「集中すれば、寝食を忘れて没頭できる」「近所の人に気軽に話しかけられる」といった感じです。
これが「適性」と呼ばれるものです。
逆に「自分の好きな仕事」なのに、「適性」が合わず仕事を辞めたり、「うつ病」になったりする場合が多くあるのをご存じでしょうか?
例えば、「絵が好きだ」と一言でいっても、その興味分野や仕事のペースは様々です。
すべて思い通りになる仕事はどこにもありません。
自分の仕事ペースややり方、興味などから外れた場合、その人は「自分の好きな事」とのギャップを感じてしまいます。
そうして「こんなはずではなかった」と悩んでしまうのです。
ですので、「何か考えたり、悩んだりしなくても自然に自分ができている事」というのは、自分が頭で考えているよりも、はるかに「適性」があり「自分がやりたい事」に近いのだ、という事を覚えておきましょう。
趣味は、本当に「生業」にはならないのか?
「自然に自分ができている事」というと、趣味の事を上げる人がとても多いです。
確かに、趣味は誰から言われるわけでもなく、自分から行動しているものなので、そのようにいう事ができるでしょう。
ある特定の「適性」が埋まっていると考えてもよいでしょう。
しかし、本当に「生業」になるかというと、そのギャップは大きいと言わざる得ません。
自分の生業になるかどうか、それは単なる「消費者」の立場から、「お金を取れるほどの、高価値で差別化できる何かをアウトプットできるかどうか?」にかかっています。
趣味というと、ほとんどはどちらかというと消費者的な立場にいます。(ゲームをやるのが楽しい、などは典型例)
そこから脱却して、生産者的な立場にシフトする必要があります。
ただ、現在では「高価値で差別化できる何か」さえあれば「生業」とするのは比較的簡単です。
インターネットを介した、商品の紹介や売買などが比較的簡単にできるからです。
もし、そうした「何か」があるのであれば、ぜひトライしてみてください。
年代別でみるやりたい事を見つける手段:20代~30代
20代~30代で「何がしたいか分からない」という人は、色々な未知の世界に飛び込んでもよいでしょう。
逆な言い方をすれば、「やり直し」が効く世代でもあります。(30代は職種によっては難しい場合がありますので、注意!)
「転職したい」という気持ちが切羽詰まったものでないのであれば、ひとまず「将来的に転職する」と決めておいて、現在の職場のお付き合い残業や余計な仕事を止めてゆきましょう。
「転職する」と決めてあれば、比較的簡単ははずです。
そうしておいて、余った時間を趣味や資格取り、ボランティアなどにあててみましょう。
異業種が集まるコミュニティーなどに参加するのも非常に良いと思います。
大事な事は、頭で考えるのではなく、行動し、実際に体験する事が何よりも重要です。
年代別でみるやりたい事を見つける手段:40代~50代
40代~50代で何がやりたいか分からない場合は、今の仕事の中から見つけてみましょう。
むしろ、20年以上も同じ仕事に従事している人の中には、すべての仕事が「ルーチン化」されてしまい、面白みがないという方もいらっしゃる事でしょう。
ポイントは、指示されるのではなく「自分で決める」事です。
「自分で決める」事は、実は「やりたい事」ととても近い関係にあるのです。
様々な業務の改善点や課題について、自分で「どのように改善するか?」「いつまでにやるか?」など決めて実行してみましょう。
こうした、課題や改善を実行する能力を「マネージメント能力」といいます。
これらを、複数の部署や多数の部下を使ってできるようであれば、どの業界でも通用するスキルを身に付けた事になります。
転職にもとても有利に働きますよ。
最後はやり始めたら簡単に「やめない」事!
何かをやり始めたら、簡単にあきらめないでください。
仕事において、たとえそれが「天職」と思えるようなものでも、苦しみ80%、楽しみ20%と心得ましょう。
趣味と仕事との明確な違いはこれです。
他人のために尽くして、「お金」をもらうのが「仕事」です。
当然、自分の好きなようにできるわけがありません。
ただ、苦労すればするほど、その「喜び」も趣味では味わえない格別なものとなります。
やり始めは、とても苦しいものです。
分からない事だらけで、他人からの叱責や失笑をかう事もあるでしょう。
ですが、あきらめないでもう半年、1年と続けてみましょう。
きっと見えてくる世界があります。
「何がしたいか?」は身近にヒントがあります
「天職」と呼べるような仕事に就いている人でも、常に「本当に自分はこれでよかったのだろうか?」と悩んでいるものです。常に葛藤の最中に置かれています。
「何がしたいか分からない」という方は、複数の「才能」に恵まれている方です。
そして、それは身近な所に眠っています。
「今できている事」の中からぜひ自分の「適性」「才能」を掘り出して欲しいと思います。
ぜひ、今日から「やりたい事」を探してみましょう!